
Instagramストーリーズ広告配信ガイド|基本的な仕様から出稿方法、費用の目安
Instagramには「ストーリーズ」と呼ばれる投稿形式があります。投稿してから24時間で消えるのが特徴で、「リアルタイムな出来事」をフォロワーと共有し合う目的で利用されます。本記事では、このストーリーズに配信できる広告の基本情報から、出稿手順・費用の目安までわかりやすく解説します。
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目次
Instagramストーリーズ広告とは?
Instagramストーリーズでは、ユーザーが投稿した画像や動画の右側をタップすることで複数の人の投稿を次々と閲覧できます。
広告は、ユーザーがストーリーズを閲覧している際、投稿と投稿の間に表示されます。24時間で消える通常の投稿とは異なり、広告主が設定した期間中はターゲットユーザーに対して繰り返し表示されます。最大の特徴は、スマートフォンの画面全体を使った縦型フルスクリーン表示で、モバイルの画面いっぱいに広告を表示できることです。
通常の投稿広告がタイムラインをスクロールしている中で表示されるのに対し、ストーリーズ広告はユーザーが能動的にストーリーズを視聴している最中に表示されます。広告に対する注目度が高く、メッセージがダイレクトに伝わりやすい配信面です。また、ストーリーズを視聴するユーザーは、エンゲージメント率が高い傾向にあることも大きな利点です。
ストーリーズ広告の種類と表示形式
ストーリーズ広告は、ユーザーがフォローしているアカウントのストーリーズを順番に見ていく中で、3〜4つめの投稿の後に挿入されることが多いです。広告であることを示すため、画面上部には「広告」という表示が必ず入りますが、通常のストーリーズと同じ操作で視聴できるため、ユーザーが投稿を閲覧するのを遮りません。
画面は9:16のアスペクト比で表示されます。一般的なスマートフォンの縦向き画面に合ったサイズです。広告は画像形式の場合は最大5秒間、動画形式の場合は最大120秒間表示されますが、ユーザーは画面を右にスワイプすることでスキップすることもできます。そのため、広告の冒頭部分で興味を引けるかが勝負です。
フィード広告の特徴と使い分け
Instagramには、ストーリーズ広告のほかにもタイムラインに表示される「フィード広告」という主要な広告形式があります。フィードに投稿されたコンテンツは投稿者が消すまで消えません。広告は一般の投稿の間に挟まれる形で表示されます。また、投稿や広告は「保存」しておいてあとから見返すこともできます。
ストーリーズ広告は瞬発的にリーチを拡大してクリック・動画視聴を稼ぐのに向いている一方、フィード広告は商品・ブランドの情報を「保存」させるのに向いています。そのためストーリーズで認知を拡大し、フィードで深堀りするのが効果的な活用方法であるといえます。
ターゲット層の観点から見ると、ストーリーズは特に若年層(18〜34歳)の利用率が高く、この年齢層にリーチしたい場合に向いています。一方、フィード広告は幅広い年齢層にリーチできるため、より広いリーチを狙う場合に適しています。
ただし、どちらか一方を選んでそちらのみ配信するのはあまりおすすめできません。配信面はなるべく多く選択し、フィードとストーリーズの両方に配信したほうが総合的な成果は良くなりやすい傾向にあります。

【コラム】成果が出やすい配信先はある?
広告運用コンサルタント W.S.
商材にもよりますが、たいてい獲得しやすいのはフィードです。ただ、だからといってフィードだけに絞って配信するのはおすすめしません。
Advantage+配置を使って、Instagram、Facebook、ThreadsなどMetaのすべての面に出したほうがよいです。MetaのAIは非常に優秀なので、配信先の選定も任せてしまうのがおすすめです。
ストーリーズとフィードで仕様を比較すると下記のようになります。
項目 | フィード広告 | ストーリーズ広告 |
表示場所 | タイムライン内 | ストーリーズ枠内 |
画面サイズ | 正方形または横長 | 縦型フルスクリーン(9:16) |
視聴態度 | 受動的(スクロール中) | 能動的(タップして視聴) |
表示時間 | ユーザー次第 | 最大120秒(動画) |
スキップ | スクロールで自然に | 右スワイプで意図的に |
適した内容 | 詳細な商品情報、プランディング | インパクト重視、即効性のあるメッセージ |
CTAポタン | 投稿下部に表示 | 画面下部に常時表示 |
ストーリーズ広告のメリット
実際のデータと事例を交えて、ストーリーズ広告を配信するメリットをご紹介します。
縦画面をフルに活かせる
画像や動画を縦向きに大きく表示できるため視認性が高く、広告の内容が印象に残りやすいフォーマットです。昨今はTikTokやYouTubeなど他の媒体でも縦型のコンテンツを目にする機会が多く、ユーザーに受け入れられやすいのも特長です。
日常的に閲覧・投稿するユーザーが多い
筆者自身もそうですが、Instagramは「ストーリーズを投稿・閲覧するのがメイン」というユーザーも多くいます。ストーリーズは見るけどフィードの投稿はあまり見ない、フィードにはあまり投稿しないけどストーリーズは毎日更新するなど、ストーリーズの方が頻繁に利用されている印象があります。
そのため多くのユーザーに日常的に接触できる可能性が高いです。
リンク先に遷移するハードルが低い
ストーリーズ広告では「詳しくはこちら」「購入する」「今すぐ予約」などのCTAボタンを画面下部に常時表示でき、ユーザーはいつでもタップできます。
CTAボタンをタップすると、設定されたリンク先(ウェブサイト、アプリストア、商品ページなど)に直接遷移します。遷移先のページはInstagram内で開けるため、ユーザーが離脱しにくいのも特徴です。
またタップだけでなく、画面下部から上に向かってスワイプしてもリンク先に遷移します。
ユーザーとのコミュニケーションが取りやすい
CTAの他にも様々な機能を活用できます。
例えば、”アンケートステッカー”や”質問ステッカー”を使って、ユーザーとコミュニケーションをはかれます。このようなユーザー自らアクションできる機能によって広告を”見る”だけではなくなり、ブランドへ興味を持ってもらいやすくなります。集まったユーザーの意見や反応は、今後のマーケティング戦略に活かせる貴重なデータになります。
出稿方法
ストーリーズ広告の出稿は、Meta広告マネージャーを通じて行います。
Instagram広告全般の基本的な出稿方法については、下記記事で詳しく解説しています。合わせてご参照ください。
ストーリーズ広告の配信手順
広告セットレベルで配置を設定する際、「Advantage+ 配置(推奨)」ではなく「手動配置」を選び、「Instagramストーリーズ」にチェックを入れるとストーリーズに配信できます。この時、他の配置(フィード、リール等)のチェックを外すことで、ストーリーズ専用の広告にできます(※非推奨)。
「Advantage+ 配置(推奨)」にしていてもストーリーズに配信される可能性はあります。InstagramのAIが成果が良いと判断した配信面に出す機能であるため、ストーリーズにどの程度配信されるかは媒体任せになります。
最低1つは選択しなければならない
「ストーリーズ」にチェックで配信される。
※「リール」は動画に特化した縦型コンテンツのフォーマット
ストーリーズ広告の表示形式には大きく分けて3つのタイプがあります。
①単一画像広告
1枚の静止画とテキストで構成されるシンプルな形式で、商品やサービスの特徴を端的に伝えたい場合に適しています。
②単一動画広告
商品の使用場面やブランドストーリーを動画で伝えることができます。
③カルーセル広告
複数の画像や動画を組み合わせて表示でき、複数の商品を紹介したり、ストーリー性のある広告を展開したりする際に効果的です。
これらは広告の設定画面の「フォーマット」で選択できます。
「クリエイティブ」から画像または動画をアップロードできます。作成した縦型(9:16)の画像または動画を選択します。推奨サイズ(1080×1920ピクセル)に合わせて事前に作成しておきましょう。画像の場合はJPGまたはPNG形式、動画の場合はMP4またはMOV形式が推奨されています(詳細な規定は後述)。
※縦型でなくても配信自体は可能ですが、上下に余白が生まれて視認性が下がります。

見出しと説明文も設定できますが、ストーリーズ広告ではほとんど表示されません。画像や動画に適度に文字を含めておくことを推奨します。
また、CTAボタンに表示する「詳しくはこちら」「申し込む」などのユーザーの行動を促す明確な文言を、下記から1つ選択します。CTAボタンは大きく表示されるため重要です。
「ボタンなし」にすることもできます。
入稿したら、プレビュー機能を使って実際の表示を確認しましょう。入稿画面の右側にプレビューが常に表示されるので、変更するたびにすぐ確認できます。
特に、テキストが切れていないか、CTAボタンと重なっていないかなど、細かいところまでチェックしましょう。
ストーリーズ広告の費用相場
ストーリーズ広告を配信した場合のシミュレーションを条件別にご紹介します。ただし、ここでご紹介するシミュレーションはあくまで目安です。成果はクリエイティブによって大きく変わります。
①アパレルECサイト
20~30代の女性をターゲットにしたアパレルECサイトの場合のシミュレーションです。CVは商品の購入を想定しています。
予算 | CPC(円) | CTR(%) | クリック数 | CVR(%) | CV数 | ROAS(%) |
100万円 | 90 | 2.20% | 11,111 | 3.50% | 389 | 374% |
300万円 | 105 | 2.00% | 28,571 | 3.30% | 943 | 302% |
500万円 | 115 | 1.90% | 43,478 | 3.00% | 1,304 | 250% |
上記のシミュレーションはあくまで参考値です。
ブランド・アイテム・商品数量によってROASや適切な配信量がかなり変わります。
経験上、同じアイテムでもブランドによって3倍以上結果が変わることもあります。
②新築分譲マンション
首都圏にある新築分譲マンションで、30~40代のファミリー層向けの配信です。CVは資料請求とモデルルームの来場予約を想定しています。
予算 | CPC(円) | CTR(%) | クリック数 | CVR(%) | CV数 | CPA(円) |
30万円 | 240 | 0.90% | 1,250 | 0.70% | 9 | 33,333 |
50万円 | 250 | 0.90% | 2,000 | 0.70% | 14 | 35,714 |
100万円 | 269 | 0.90% | 3,726 | 0.80% | 29 | 34,483 |
上記のシミュレーションはあくまで参考値です。
成果は販売戸数、エリア、ブランド、近隣エリアの競合物件に大きく左右されます。
経験上、人気物件のCPAは3000円程度になることもありますし、成果が良くないと50,000~100,000円前後になることもあります。
その他の業種・商材
その他、商材や業種に合わせた個別のシミュレーションを無料でお出しいたします。もちろん、他の媒体も含めた具体的な配信プランやお見積りの提供も承ります。
下記ボタンよりお気軽にお問い合わせください。
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クリエイティブの入稿規定
クリエイティブの入稿規定は下記のとおりです。基本的に、フィード広告に入稿できるサイズの写真と動画はストーリーズでも入稿できます(1.91:1から4:5まで)。
■ファイルタイプ
.mp4または.mov (動画)
.jpgまたは.png (写真)
■最大ファイルサイズ
4GB (動画)
30MB (写真)
■動画の長さ
最大: 60分
※画像は5秒間表示されます
■サイズ
推奨解像度: 1,080 x 1,920
最小: 600 x 1,067
■対応コーデック
動画: H.264、VP8
音声: AAC、Vorbis
参考ページ:Instagramストーリーズ広告のデザイン要件
縦型動画広告が配信できるその他の主要媒体
Instagramストーリーズで作成した縦型動画は、他のプラットフォームでも活用できます。
Facebook ストーリーズ・Facebook・Instagramリール
FacebookもInstagramと同じMeta社のプラットフォームであるため、同じ広告マネージャーから簡単に配信できます。ユーザー層はInstagramよりもやや年齢層が高く、30代以上のユーザーにリーチしやすい特徴があります。
リールはショート動画に特化した縦型のコンテンツフォーマットで、Facebook・Instagramの両方で閲覧できます。
YouTubeショート
最大60秒の縦型動画を投稿できるプラットフォームで、幅広い年齢層にリーチできます。特に、How to系のコンテンツや、商品レビュー形式の広告が効果的です。
TikTok広告
9:16の縦型フォーマットに対応しています。より若年層(10代〜20代前半)にリーチしたい場合は、TikTokの活用が効果的です。ただし、TikTok特有のトレンドに合わせた調整が必要になることもあります。
これらのプラットフォームで同じ素材を使う際は、それぞれのプラットフォームの特性に合わせた微調整が重要です。BGMの選択、テキストの配置、CTAの表現など、各プラットフォームのユーザー層に合わせて最適化しましょう。
配信を迷ったらお問い合わせください
縦型動画広告を配信するか迷っている
入稿方法がわからない
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